ざっとの心

 今も僕は

 晴れだ。「笑ってればいいことがある」、そんな歌を思い出させるような柔らかな光だ。だから笑っていたら、もっと友達と一緒に笑う機会が増えた。


 弓だ。静けさがサークルで孤独に弓を引く僕を、優しく包み込んだ。だから黙って弓を引いていたら、もっと弓が好きになった。




 飯だ。一人で食べる寿司は大してうまくないのに、みんなで囲んで食べる鍋はめちゃめちゃうまい、そんな食欲だ。食欲のことを考えたら、僕の周りにいてくれる友達をもっと大切にしようと思った。






 春だ。イメージの中のそよ風が、草原が、太陽が、僕という自己中心的な存在を差別なく包み込んでくれる季節だ。そうやって暖かい風の中を走る子供たちを見ていたら、少しは他人を思いやれる気がした。








 曲だ。記憶が曲を変えてしまい、すっと耳を傾ければ、心から涙がにじみ出てくるようなメロディーだ。でもそっと口ずさんでいたら、やっぱり僕はその曲が好きなことに気付いた。










 明日だ。昨日を忘れるために存在し、今という時間をかみ締めるためにある概念だ。だから前を見て、今できることをやっていたら、今日、笑顔が見れた。












 だから












今も












君だ。